改正ベトナム知的財産法(07/2022/QH15)が2023 年1 月 1 日より施行されます。特許関連の主な改正点を紹介いたします。
(1) 発明の新規性に関する規定(第60条1項)の改正
現行法では、「出願日(優先日)よりも前に公開された先行技術」に基づいて新規性が評価されますが、この「先行技術」のカテゴリが拡大されます。改正法では、「出願日(優先日)よりも前に出願され、出願日(優先日)以降に公開された他の特許出願」も、新規性評価における「先行技術」となります(第60条1項b)。なお、いわゆる「例外規定」の詳細については現時点では未定とのことです。
(2) 特許出願に対する異議申立てに関する規定(第112a条)の新設
現行法には、第三者情報提供制度(第112条)の規定があり、第三者は所定の期間(出願公開日から特許付与の決定の日まで)に書面により意見を提示することが可能です。しかしながら、第三者情報提供制度には、審査官の対応義務は規定されていません。これに対し、改正法で新設された付与前異議申立て制度には、審査官の対応義務が規定されています(第112a条3項)。付与前異議申立て制度では、第三者は、出願公開日から9ヶ月以内で、特許付与の決定の前までの期間に限り、書面による異議申立てが可能です(第112a条1項、2項)。
(3) 特許出願の実体審査に関する規定(第114条第3項、第4項)の新設
審査において、外国の特許庁の審査結果を参考にし得ることが明文化されます。
(出典:ベトナム各特許事務所)